家庭用の粘土に原型を半面だけ埋めます。
まるで火星の人面岩みたいですね。


ちなみに、この「やくも子の頭部」は形状として好ましくありません。柔らかいシリコンでも抜かるかどうか。。。
抜けたとしても壊れ易くなるのでダメダメです。
そんな場合は、抜けやすい形状になるまで原型を分割してしまうのが抜本的な解決策ですが、ここではめんどうなのでしません。
←左の図は妥当な形状の好ましい埋め方です。ただし、直角の部分には気泡が溜まりやすくなるので少し斜めにしてキャストの流れるように出口を作るのが望ましいです。
←抜けない ←微妙。。。。

少し逆テーパーがある場合は、柔らかいシリコンを使うと抜ける事もあります。
プラ棒等を埋めて、レジンキャストがうまく流れるような溝を作ります。
この段階では原型に接着する必要はありません。

さらに、粘土にペンの先等で、くぼみをたくさん
付けておきます。これは、型を抜く際にシリコンの両面がきっちりとはまり合う様にするためです。
これが甘いと、レジンの接合面がズレたり、壮大なバリが発生します。
シリコンを流す為に、木枠で囲います。
木枠の接合面からシリコンが流れないようにシーリングをビニールテープでしっかりと。

木枠ではなく「おもちゃのブロック」で囲うのも合理的です。

また、粘土には予め「剥離材」を塗っておいた方が良いです。
シリコンを流し込んだ所。

シリコンを流す際は、原型に気泡が付かないように、少しづつ垂らし、エアーダスター(スプレー)で気泡を飛ばしながら慎重に行います。スプレーの変わりにエアーブラシでも構いません。

一日放置してシリコンが固まったら、粘土を取り除きます。

半面が完成したら、この半面を型にして、上記の要領で、もう半面を作ります。
表面にワックスと剥離材を塗って、同じ要領でシリコンを流します。
シリコン同士は癒着し易いので、剥離材はしっかりと。
両面が完成して、レジンキャストを流してみた所。

両面が完成したらレジンキャストが流れる溝を開通させます。
(レジンキャストの流し方はそれはそれで大変面倒なのでこの項では省略)
この型は微妙に逆テーパーのある頭部が通常のシリコンでは硬くて抜けないので、柔らかいシリコン(信越KE−12)を使っています。
どちらにせよ、無理のある型は、削られたりして寿命も短いので、避けるべきです。

抜いたレジンキャスト
うっすら青いのは、色つきの剥離材です。
バリが出ても、気にしない。
バリに厚みがある時は密着度が弱いのでもっとしっかりシリコン型の両面を固定。
ちなみにこの型は頭部の逆テーパーの部分が4回目で壊れてしまいました。
原型は計画的に創りましょう♪
もうすこし判り易い型 ↓30回以上の使用に耐えました。
左面は抜いたレジンキャスト。
モドルです
ヤクモコネットで製作するレジンキャストモデルは素材専門店「佳月堂」より素材を購入しています。
各種シリコン及びキャストなど造型の量産に必要な素材がそろっており、価格も安く、何よりサポートがしっかりして、素人でも親密に相談に乗っていただけます。
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ガレージキット製作の舞台裏(ご家庭で作れるシリコン型)
ここでは1/10やくも子キットの胸部と頭部の「型」を作ってみます。
今日の一般的なガレージキットメーカーでは、脱泡機など様々な工業機械を用いており、下記のようなハンドメイドな製作は行っていません。
巷で販売されるキットの精度は向上した半面、初心者がガレージキットを創り、量産して販売するという行為は随分と敷居の高いものになってしまいました。
そんなわけで、昔ながらの気泡にまみれた純朴な作り方が後年において「無形重要文化財」となるに違いないと考え、そのナチュラルな製法を今に伝えてみたりします。
ぜひ、挑戦してみてくださいませ。

*(この記事は2000年代初期のものです。現代においてはガレージキット複製に便利な素材や道具が販売されており、もっと詳しく製法を紹介するサイトもありますので、それらを参照されることをオススメします)